「ほぼ全部署が利用する」営業放送システムの管理
――齋藤さんは2009年にWOWOWに中途入社されていますが、それまでにどのような仕事をされていたのか、WOWOWに入社することになった経緯についてお聞かせください。
齋藤 WOWOWに入る前は、旅行会社の情報システムをつかさどる会社に勤めてまして、海外旅行の販売サイトの開発と運用をやっていました。システムを作る仕事ですね。もともとは、学生時代からTV局で働くことを志望していたんです。僕らが学生の頃ってTVはエンターテインメントの王様でしたから憧れがあり、当時は番組を企画したりする仕事をしたいなと思っていました。そういう経緯もあって、WOWOWへの転職自体はごく自然な流れで、やはり「何かを作りたい」という思いがありました。
――堀江さんは新卒で2011年に入社されていますが、どのような経緯でWOWOWを志望されたのでしょうか?
堀江 学生時代は、TVなどの映像技術を生体情報(眼球運動や脳波)などを使って評価するという研究をしていました。3Dや4Kといった技術で映像の質が高くなっていると言われていますが、それを人間はどれくらいきちんと感知できているのか? といったことを調査していました。プライベートは家でずっとドラマや映画を見ていたので、エンターテインメントに強い会社で働きたいという思いがあって、就職活動にあたってTV局が視野に入ってきました。ただ報道などの堅苦しいことは苦手だったので、極力エンタメに振り切っている会社ということでWOWOWを志望しました。
――当初はビデオエンジニアを志望されていたそうですね?
堀江 そうです。学生時代に音楽フェスに行くことが多くて、そこでTVスタッフの方たちが働いている姿を見て映像収録に興味を持ちました。ちょうど研究室の先生がNHK出身の方で、話を聞く中でビデオエンジニアだったら、収録全体のことなどさまざまな勉強ができるのではと思い志望しました。
――入社後から、現在に至るまで、どのような業務に従事されてきたのかも教えてください。
齋藤 僕は2009年に中途入社してシステム部に配属になり、当初はデジタル放送への切り替えに関連するB to Bの仕組みを担当しました。その後、WOWOWのホームページである「WOWOWオンライン」の管理をしつつ、WOWOWの配信サービスであるWOWOWメンバーズオンデマンド(現WOWOWオンデマンドの前身)の立ち上げに携わりました。2014年に編成局編成部に異動となり、そこではスポーツジャンルの編成を担当し、その後は、編成された番組が編成通りに正確に放送されるように管理する運行管理という業務をやることになりました。この仕事は、現在も継続しています。
それと並行して、クローズドキャプションといわれる放送に字幕をつける業務や、放送と同時にオンラインでも番組の同時配信を行なう業務などにも従事しました。
堀江 私が最初に配属されたのは、現在は「運用技術部」といわれている部署で、放送センターから、衛星に映像を送る会社さんに映像を送る”送出”の仕事をやっていました。
その後、現在の「開発部」に当たる部署に配属されました。そこでメインで行なっていたのがWOWOWの社内システムの開発と運用です。主に担当していたシステムは、「営業放送システム」と呼ばれる、編成の部署が編成業務を行なう際に使用するシステムですね。こちらのシステムは、放送事業の軸となるシステムであり、プロデューサーがコンテンツを購入したり、制作する際に、そのコンテンツに関連する番組情報や契約情報を入力し社内決裁するところから、放送の実績を管理するところまで網羅しているので、WOWOWのほぼ全社員が触ったことがあると思います。
この営業放送システムに加えて、管理会計システムの導入と運用管理、社内の申請や決裁のワークフローに関するシステム、経理の分析システム、パートナーさんとともに使う”Wowpedia”と呼ばれる作品管理情報管理システム、固定資産の棚卸しに関するシステムなど、WOWOWのビジネスを支えるさまざまなシステムの導入から運用管理までを行なってきました。
――お仕事をされる中で、ITの急激な進化を実感することはありますか?
齋藤 これまでは”作品”が主役で、WOWOWらしい多様で面白いコンテンツ、映像クオリティーの高いコンテンツをそろえ、放送していくことが、加入者を増やし成長していく上で最も重要……という流れだったと思いますが、配信事業やYouTubeなどが普及し、エンタメの楽しみ方が多様化する中で、ただ面白いものを作っただけでもダメだし、技術力だけでもダメで、そのどちらも有していないと戦っていけない――現状はその転換期にあると思います。
そういう意味で、これまでの放送事業があるからこそ、ゼロベースでパラダイムシフトというか、僕たちの考え方ややり方を変えなくてはいけない立場にいるのかなと感じています。それは危機のようであるけれど、ゼロから新しいものを作っていくことができるという、外部の変化からITの進歩を感じつつ、WOWOWから生み出せる、新たなチャレンジだと思っています。
堀江 ITの進化の”スピード感”に関していうと、例えば”クラウド”は技術的なことでいうと、かなり前から実現が可能だったんですけど、その技術をお金を払ってでも導入したいと考えるユーザー企業への広がり、採用までのスピードが上がっていると思いますね。この10年ほどのスパンで考えると、デバイスも増えて、ネットの速度や解像度も上がっているし、クラウドのサービス利用料も安くなっていて、それを取り扱う会社の数も増えていますけど、それは技術力の向上という面もあると思いますが、その技術を使用したサービスの多様化が後押ししていたとも感じます。
技術的サービスの選択肢が増えることで、それらの技術をトライアルで導入する企業も増えてくると、提供する企業もその結果を”実績”として示すことができるようになる。その結果として「採用してみよう」と考える企業がさらに増えるという循環が生まれるんですが、その循環のスピード感が昔よりも上がっているんじゃないかと思います。
いち早くオンデマンドを開始! WOWOWが持つ"先見の明"とそれをより活かすための課題とは?
――WOWOWの社風として、新たな技術を積極的に採用していく空気は感じますか?
齋藤 それこそ日本の民放局の中で、オンデマンドでコンテンツ配信を開始したのはWOWOWが最初だと思いますし、NETFLIXが日本で配信事業をスタートする前から配信を手掛けているわけですから、そういう意味でのスピード感、パイオニア感はすごくあると思います。ネット同時配信(放送と同時に番組を配信する)も、真っ先にサービス開始しましたしね。
ただ、スピードをもっと加速できると感じる部分も多々あって、それはこれからの課題だと思います。せっかく、どこよりも早く最新のサービスを採り入れているのだから、それを最大限に活かせるようにしていきたいなと。
堀江 鋭い嗅覚で素早く取り組むんだけど、その後、事業として成長させていく知見は強化してくべきところかなと。30年間放送事業一本でやってきたが故の課題でもあると思います。
齋藤 世にいう”イノベーションのジレンマ”ですね。何もないところから配信を始めるのと、これまで放送事業をやってきて、配信を始めるのでは、後者の方が簡単そうに見えて、実は難しいのかもしれません。放送での物事の進め方にとらわれがちで、それが逆に足かせになってしまう部分もあると思います。今までの考え方からの脱却が必要ですね。
エンタメ企業WOWOWならでは! 「これまでにないサービスを作る」ための情報システム
――エンターテインメントやコンテンツを扱っているWOWOWという企業であるからこそ、IT業務で面白さや魅力を感じる部分はどんなところですか?
齋藤 WOWOWのサービス戦略上、同時配信やクローズドキャプション、オンデマンドといった新しいサービスを展開する場合に自分が深く関わっていくことが多いので、WOWOWというエンターテインメントをお客様に届ける会社の最前線で、サービスに関わるさまざまな業務に携わることができるのは、面白みの一つと感じていますね。
堀江 自分はもともと運用技術部にいましたが、送出設備というのは、営業放送システムから指示をもとに動くものが大半なんです。そのおかげで頭から終わりまで、すべての流れを経験することができて、コンテンツがお客様に届けられるまでイメージできるようになりました。自分がやった仕事が、どのように巡り巡って社内の誰をサポートして、お客様のところに……というのが見えてくるのが面白かったりしますね。
齋藤 最近、携帯電話や金融システムの大規模なトラブルが起きていますが、僕自身、システムの開発に従事してきたのですごく感じることなんですが、こういうシステムって「普通に動いて当たり前」の存在なんですよね。完璧な状態にあるときは、誰も気にしないけど、ちょっと何かトラブルが起こると、大きな社会問題にまでなってしまうんですね。
情報システムの仕事ってそういう部分がどうしてもあるんですが、WOWOWでの仕事は「新しい出先を作ろう」「これまでなかったサービスを付与しよう」「IPで番組を見られるようにしよう」など、面白いこと、プラスアルファのことを世の中に発信する要素が多いんですよね。そういう意味で、やりがいや楽しさを感じる部分は多いです。
映像サービスを提供するためのシステム構築や運行管理を行なっていると、この業務の先にサービスを楽しんでいるお客様が見えるときがあります。また、サービスの転換期や新しい施策が動くときには、必ずシステム観点での検討が入るので、そういう会社の動きを真っ先に把握できるのも面白いところですね。
オンデマンドのサービスは、ほとんど情報システムの部門だけで作って、開始したので、そういう新たなサービスを「作る」チャンスのある会社なんだなと感じています。これはエンターテインメントを届ける会社だからこそできた仕事だと思います。
すぐ隣に番組を作っているスタッフ、編成やプロモーションを行なっている人たちがいたりするので、刺激的な環境だなと思います。
自然発生的な横のつながりによるチームがもたらすもの
――実際に新たなシステムなどを作る際、WOWOWのIT部門は他の部門とどのように協業してお仕事をされているのでしょうか? その際の苦労や面白さを感じる部分などについても教えてください。
堀江 基本的に一つのシステムを作っていく上で、そのシステムを「管理」する側(システム管理者)がいます。それに対して、このシステムを業務として使っていく部署の代表担当者がいて、その2者が「どのようにどういったシステムを作って(変えて)いくか?」を話し合います。
営業放送システムのような規模が大きいシステムの場合、社内の多くの部署の人間がそれを使うことになるので、彼らの意見をまとめないといけません。その面に関しては、どちらかというと私の立場は、そうやってまとめられたさまざまな意見が届くのを待っている「ヒナ」的なポジションです(笑)。
営業放送システムを例にとると、私はシステム管理者で、所管の部署の人たちの意見を取りまとめないといけない大変な「親鳥」の役割を果たしているのが、齋藤さんです。でも、「親鳥」に対して、「ヒナ」が小生意気な場合も多々あって(笑)、取りまとめてくださった意見について「こんなもんがのめるか!」と言い返す場合もあったりするので(笑)、齋藤さんは本当に大変だと思います。齋藤 去年、スタートした4K放送が良い例だと思いますが、4K放送をするとなったとき、関係ない部署ってほぼないんですよね。まずは設備を導入する必要があるので、当初は技術部門が主導して旗を振りつつ、編成などのユーザー部門の各部署の責任ある人が集まり、周りを巻き込みながら、最終的に4K放送をスタートさせました。格式ばったルールがあるというより、ミッションがポンっと立つと、なんとなく人が集まり、横の連携が生まれ、「ああでもない、こうでもない」と話し合いを進めていくことが多いですね。
先ほど「ヒナ」と「親鳥」と例えてましたけど、案外、「ヒナ」のほうが旗を振って……という場合もありますし、「コンテンツ管理システム」はまさに堀江さんが言いだしたことで動きだした構想だったりもするので、そうなると「ヒナ」どころか、彼自身が主導して動いていますよね。
堀江 コンテンツ管理システムに関しては確かに「これはやった方がいいと思います」と言いましたね。WOWOWのことを一番分かっているべき”中”の人間として、やるべきだと思った部分は積極的に提案して進めたい、と思っています。
人数の少ない会社だからこそ、若いうちから責任を背負って仕事ができる! 成長ができる!
――「積極的に提案を」とありましたが、WOWOWの社風として、若いうちから大きな仕事を任されたり、積極的に社員の提案を受け入れる土壌があるということでしょうか? 特にIT部門は若い方が多いのでしょうか?
堀江 最近、若い人が増えていますね。僕がいま35歳ですが、いまは部署内では自分と同年代がいちばん多くて、僕よりも若い人たちもかなり増えました。僕が異動してきたころは僕がいちばん若かったので、そのころと比べてもだいぶ若返りましたね。限られた人数で業務を進めていくので、責任ある仕事を早い段階で任されるというのは確かにあると思います。時期によっては同時にいくつもの案件を受け持って……ということもあります。
――若い人が成長できる環境であるとは感じますか?
堀江 それは間違いなくそうだと思います。いろんな経験を積むことができますし、限られた人数でやらなくてはいけないことがほとんどなので、その人の業務が案件そのものの成否に関わることも多いです。そのぶん、自分の取り組みをきちんと振り返り、次に活かして……という点で、経験値を積み上げていきやすいと思います。
例えば、いま開発中のコンテンツ情報の統合管理システムは、関係者がほぼ全部署に及ぶので、コミュニケーションが大変ですが、自分の頑張りがそのまま進捗や品質として出てくるのでやりがいは感じますし、自分の不足している面も結果からダイレクトに分かるので、成長もしやすい環境でもあると感じます。
齋藤 僕も前の会社にいたときは、それこそ情報システムの部署だけで、WOWOWよりも人数が多い巨大な組織だったので、WOWOWに入るまで “稟議”とか”決裁”なんてやったことがなかったんですよね(笑)。WOWOWに入ったら、ひとりで一つの仕事を最初から最後までやらなくてはいけないので、会社からお金を引っ張るために稟議申請をして、相手先と交渉して……を自分でやらなくちゃいけないわけです。最初から最後まで受け持つ意識は入ってすぐに植え付けられましたね。先輩の背中に隠れてアシスタント的な仕事をやり続けるようなことはほぼ皆無で、自分が”メイン”となって推進することが求められる会社だなと思います。
――仕事をする上で、どんな瞬間にやりがいや喜びを感じますか? また、今後はどういったことに挑戦していきたいですか?
齋藤 オンデマンドの立ち上げの仕事をやっていたときの話になるんですが、僕と先輩社員のほぼ2人だけで進めていく状況でした。オンデマンドが稼働した2012年当初、スマホはドコモからAndroidのものが2機種くらいしか出てなくて、iPhoneも出たばかりで、そもそもスマホの普及率もそこまで高くなくて、まだほとんどの人がガラケーを使っていました。
オンデマンドで最初に配信したのが、サッカーの「UEFA EURO 2012™」だったんですけど、自分の端末にライブ配信が流れてきたときは感動しましたね……。あれは、これまでの社会人歴の中でもいちばん喜びを感じた瞬間だったなと思います。2日間徹夜してハイになっていたこともあるかもしれませんが(笑)、涙が出そうになるくらい、うれしかったですね。WOWOWはエンタメ企業なので、これから先もこういうことがあると思っています。まだ見ぬ”何か”を作っていく会社なので、それができたときは、同じように感動があるんだろうなと思います。
堀江 私の場合、自分がやったことで社員の人に喜んでもらうようなこと――社内の人の業務が成り立つための仕事やシステムの構築が多いので、実際にそれを使っている人たちがすぐ近くにいるんですよね。自分が構築したシステムを使ったという声を聞いたり、実際にシステムの中を見て、データが蓄積されているのを見たりすると「あぁ、ちゃんとみんな、使ってくれてるんだな」と喜びを感じますね。
システムを作る際、最初に「要件定義」があります。どういう機能を実装するかをまとめていく、システムを作る上でも最も重要なフェーズですが、そこがうまくいくかどうかが、その先が成功につながるか、失敗に終わるかの分かれ道になります。要件定義で「これはうまくいったな」というのは、そのときに感覚的に分かるんですよね。その時点で「こうやって作ればいいんだな」とイメージができて、これはいい仕事ができそうだぞって感じますし、気合いが入りますね。
「なぜ?」と考えることと相手の立場で考える「愛」が大事!
――WOWOWでは「偏愛」を行動指針として掲げていますが、お2人が仕事をする上での”偏愛”や哲学、大切にしていることなどを教えてください。
齋藤 僕は、なるべく現状の延長線上で物事を考えないようにしています。これまでの歴史があると、ついつい予断と偏見が入り込んでしまうものですが、できる限りゼロベースで考えるのが信条です……言うのは簡単ですが難しいんですよね(苦笑)。
あと、これはすごく細かいことなんですけど、僕のところに来る仕事は、”困っている人”からの相談が多いんです。だから、できるだけ、周りが声を掛けやすい雰囲気を崩さないようにしようとは意識しています。まず第一報をしやすい雰囲気を出すようにと。実際にどう思われているかは分かりませんけど(笑)。
堀江 僕は二つあります。一つは「なぜ?」を常に考えるようにすること。人によっては、会話していてイラつかれるかもしれませんが(笑)、システム構築に限らず、いろんな仕事をしていく中で、自分がストーリー的にのみ込めないことがあった場合は「それってなぜですか?」と確認するようにしています。後々になって、あれこれ戻って解決策を探して時間を使うことになったりするよりは、最初にきちんと突き詰めて、スマートに仕事をしたほうがいいんじゃないかと思っています。もう一つは、「愛」を大切にすること。これは、入社してすぐのタイミングで上司に言われたことなんですけど、資料を作ってその上司のところに持っていったら「お前の資料には”愛”が足りない!」と言われたんですね(笑)。正直、当時は何を言ってるかわからず、後になって理解したんですけど、相手が受け取りやすいように、相手の立場に立って、スムーズにコミュニケーションが進むようにしないといけないということなんだなと。忙しいとドライに対応してしまいがちだけれど、「こうしたらどうでしょう?」と導くような返しができるようになっていきたいと思っています。
コロナ禍がもたらしたワークライフバランスの変革!
――「働き方」についても伺っていきたいと思います。いま現在、お2人は基本的には出社せずに、在宅でお仕事をされているんでしょうか?
齋藤 これは部署と個人によると思いますが、僕は在宅メインですね。会社のシステムにアクセスさえできれば仕事は進められますし、コミュニケーションに関しても、もはや会わなくても取れるので違和感はまったくありません。
――お2人が直接顔を合わせるのも、実はかなり久々だそうですね?
齋藤 そうなんです。会うのは2年ぶりくらいかな……? ただ、その割にずっと一緒に仕事はしているんですよ。毎週、声は聞いてます(笑)。いまや打ち合わせをすることになっても、リモートが定番ですからね。堀江 リモートが基本で、逆に対面のほうがいい場合は、わざわざ提案する感じですよね。対面での話し合いは、濃厚なコミュニケーションが必要な場合にはやっぱり有効ですね。
僕も在宅がメインですが、先ほどもお話ししたコンテンツ管理のシステムに関しては、開発ベンダーさんと顔を合わせて細かなディスカッションをしなくてはいけない場面があったので、その際は会議室にいました。出社してもデスクにはほとんど行かず(笑)、ずっと会議室にいる状態です。それ以外は、基本的に在宅で仕事をしています。
――コロナ禍で一気にリモート化が進む中で、仕事の仕方や時間の使い方、ライフワークバランスなども変わりましたか?
堀江 だいぶ変わりましたね。
齋藤 僕ら2人に共通するんですが、残業があまり好きではないので、コロナ禍よりも前から、わりとドライで、「ここまで」と決めた役割、やるべき仕事が終わったらスパッと帰るというのを徹底していたと思います。
そういう意味で、プライベートが大きく変わったかというと、僕の場合はそうでもないんですけど、選択肢が増えたというのは感じますね。
堀江 出社する日は、帰宅時間がどうしても遅くなって、家族と食事を一緒に取るのが難しくなりますね。在宅メインに切り替えたことで、家族とゆっくり食事を取る時間をきちんととれるようになりましたし、残業がある場合も無理に日中から続けてやるのではなく、夕方で一旦切り上げて、夜に再度集中力や体力を回復させてから対応するなどして、効率的に仕事を進められるようになったと思いますね。
出社して、遅くに家に帰ってから食事をすると太りやすいんですよ(苦笑)。そういう意味でも、いまは家で仕事をする際、基本18時くらいで一度仕事を終わらせて食事するようにしていて、生活リズムの点でも良いですね。
――システムに従事されている方は、トラブルが起きたらすぐに対応しなくてはいけないなど、24時間365日、頭のどこかに常に仕事のことが……というイメージもありますが、お話を聞いていると、バランスよく仕事とプライベートを分けて生活されているなと感じます。
堀江 基本的に自分の担当しているシステムに問題が起きたら電話が鳴るので、そういう意味では24時間365日、拘束されている状態ではあると思います(笑)。ただ、そこは”波”次第ですね。
先ほど、自分がメインで任される仕事が多いと言いましたが、だからこそ、自分でコントロールしやすいメリットもあります。これが大所帯のチームで一つの仕事に当たっている状況だったら、周りのメンバーの状況次第の部分も出てくるので、なかなか自分でコントロールするのは難しい面も出てきます。
そういう意味でも、少人数体制は、プライベートと仕事をうまく切り分けるところに関しても、一役買っているなと思いますね。
――最後にあらためて、WOWOWの働きやすさ、労働環境について、どんなことを感じているかを教えてください。
齋藤 「自分がやってみたいこと」と「WOWOWでできること」が一致しているのであれば、労働環境や労働条件に関しては、トップクラスの会社だなと思いますね。働きやすいし、選択肢も多いし、先ほどの話にも出たように、人数が少ないからこそ自分で舵取りできる範囲も広いです。
堀江 上長と直接、気軽に話ができることも、すごく良いところと思っています。役員がすぐ近くにいるんですよね(笑)。相談ベースでの話をしやすい環境ですし、社員のスキルをアップさせるための学びの場を提供してくれる会社でもあるので、それはすごくありがたいなと思います。
構成/黒豆直樹 撮影/曽我美芽